長時間労働の要因の続きです。
前回のその6は「市場の失敗」でした。
次は「職務の不明確さと企業内コーディネーションによる負担」です。
職務の不明確さと企業内コーディネーションによる負担
次に、労働市場から企業内の働き方に目を向けてみよう。
第二の自発的長時間労働の要因は、職務の不明確さ、企業内コーディネーションの必要性である。日本の場合は、特に、欧米と比較して、職務の定義(ジョブ・ディスクリプション)が明確でないという特徴がある。これは賃金が職務給ではなく職能資格制度で運用されてきたことと密接に関係している。自分の職務範囲が明確でない分、自分の仕事が終われば退社するとう行動が取りにくい面があろう。
また、日本的経済システムのひとつの特徴として、企業内の水平的コーディネーション、部門内、部門間での情報の共有、ボトムアップ型意志決定が指摘されてきた。これには企
業内の様々な取引において情報の非対称性・偏在の問題を解決し、コーディネーションや
協力を促進するというメリットがあった。一方、「頻繁で長い会議」に象徴されるように、情報の共有・伝達等、企業内コーディネーションに要する時間が長時間労働として顕在化していたことは否めない。
自分の経験では、プロジェクト組織でよく見られた光景です。
ルーチンでない仕事のマネジメントや、情報の共有・伝達を効率的に行うことは、
とても地味だけどとても大事なことだと思います。
医師の世界でも、臨床とあまり関係ない会議や管理運営業務がそこそこありそうで、
この話が適合する気がします。
このあたりのやり方は、もしかしたら改善の余地があるのかもしれません。
0コメント