長時間労働の要因の続きです。
DPに挙げられていた要因は今回が最後になります。
前回のその8は「雇用調整のためのバッファー確保」でした。
次は「自発的長時間労働者からの負の外部効果」です。
自発的長時間労働者からの負の外部効果
第四の非自発的要因は、自発的長時間労働者の存在によるマイナスの影響である。
例えば、上司が仕事中毒や出世重視の自発的長時間労働者の場合、その部下は好む、
好まざるにかかわらず、上司の長時間労働につきあわなければならないであろう。これは自発的長時間労働者の「負の外部効果」といえる。
また、勤め先の企業が労働時間の長さで人事評価する傾向が強ければ
やはり長時間労働を拒否するのは難しい。このように長時間労働が企業文化、ひいては、社会的規範となってしまっている場合、
やはり、セカンド・ベストな選択として長時間労働にコミットせざるを得ない。
もしかしたらこれが一番強力なのかもしれません。
想像の域を超えませんが、医師免許を取ってめでたく職場が決まり着任すると、
色々教わりながら信頼を獲得して行かないといけないわけです。
そこで空気を読まずに定時上がりのようなことを繰り返していると、信頼を得るどころか
真っ先に槍玉にあがりそうな気がします。
(自分は新卒時にこれをやってなかなか辛い思いをしました)
明示的にこういうことにならないようなルールやインセンティブの設計が必要そうです。
先日、内閣官房兼厚労省兼経産省の江崎禎英さんのご講演の中で
「企業の従業員に健診を受けさせるにはどうすれば良いか」というくだりに
ヒントがありました。
「健診を受けなければ本人だけでなく上司の評価にも響くようにしたところ、
すぐ受診率100%になりました」
うまく設計すると、みんなわかっててもなかなかできなかったことが
コロっと変わるんですね。
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