長時間労働の要因 その4:人的資本の回収

長時間労働の要因の続きです。前回のその3は「出世願望」でした。

次は「人的資本の回収」が挙げられています。


人的資本の回収

第四の自発的要因は、人的投資の回収を意図した長時間労働である。
例えば、ある仕事に就くに当たって必要な教育、訓練、資格取得に多大なコストを
つぎ込んだ場合、それに見合ったリターン、これは労働の対価としての所得によって

得られるわけであるが、それをできるだけ高めようとするインセンティブが働く。

その方法の一つが物的資本であれば稼働率を高めるのと同様、人的資本の稼働率を示す

労働時間を高めることが最適となる。他の職業に比して、医者、弁護士など

多大な人的投資が必要な高度な専門的職業の場合、その要因は強いと予想される。


直接的に「医者」への言及がありました。


医学部入学の受験レースを勝ち抜き、6年間医学部で学んで国家試験をクリアして

やっと医者になれるわけです。6年間の学費も他学部に比べると高く、

私学ならなおさらですね。


これを回収せねばと、医者としての所得をできるだけ高めようとするインセンティブが働くようです。

あれ、なんだか「金銭インセンティブ」や「出世願望」と似た感じがします。


単純に金銭や出世を求めるのではなく、医師になる前に色々犠牲を払っているので、

よりその欲が強くなるといったところでしょうか。

医師の働き方改革を考える

このブログは、過酷な労働環境にある医師の働き方改革に関する情報を追っていくページです。 「医師の働き方改革に関する検討会の報告書」を読み解いていきつつ、関連情報を随時考察していきます。

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